

労働事件に関して紛争が発生した場合、まずは、内容証明郵便で通知書を発送し、弁護士によって任意交渉がなされることになります。任意交渉が決裂した場合に利用される主な裁判手続きとしては、以下のものがあります。

解雇事件の場合の地位保全とそれに伴う賃金の仮払いの仮処分、配転・出向事件の場合の配転・出向の効力停止の仮処分などがあります。
仮処分は本訴に比べて解決が早く、2か月から6か月程度で結論が出ることが多いです。
手続き上、「保全の必要性」といって、早急に結論を出さなくてはいけない理由が必要です。また、あくまで「仮」の処分ですので、最終的な解決は本訴によることになります。
ただ、仮処分により、事実上、当初の目的を達成できる場合もあります。
本訴とは通常の訴訟のことです。
早急に解決する必要性が低い場合や、仮処分手続きでは、最終的な解決が見込めない場合などは、本訴を提起する必要があります。
本訴は、仮処分よりも時間がかかるのが通常ですが、一般の民事事件と同じく、1年内に解決することも多いです。
労働審判は、個別的な労使関係紛争について、裁判官と2名の審判員によってなされる調停、審判手続きです。3回以内の期日で労働審判がなされることになっており、迅速な解決が期待できますが、労働審判の結果に当事者から「異議」が出された場合、その効力を失うとされており、当事者間で対立が激しい場合や、事案が複雑な場合には向かないと言えます。概ね3か月以内には結論がでることが多いです。
解雇の例としては、労働者の非違行為、能力欠如を理由とする解雇、整理解雇、懲戒解雇、諭旨解雇などあります。
解雇に関しては、労働契約法16条(解雇権濫用)による制限があり、解雇権行使にあたっては、客観的に合理的な理由が必要とされております。その他、個別法令による解雇制限もあります。懲戒解雇については、懲戒事由が就業規則に明定され、周知されていること、規定の合理性なども問題になってきます。
いずれにせよ、解雇に関しては法令及び判例によって厳格な規制がなされております。
残業代の不払いは、労働基準法24条違反であり、刑罰もあります(同法120条1号)
請求の方法としては、労働基準監督署の利用が考えられます。労基法違反を申告することで労基署から「指導」や「是正勧告」がなされることがありますが、必ずしも労基署に迅速な対応が期待できない面があります。タイムカード等の証拠が確保できている場合は、裁判手続きを利用するべきと言えます。その際、未払いの残業代と同額の付加金を請求することが可能です(労働基準法114条、37条)。ただし、残業代の請求権の消滅時効は2年ですので、この点、注意が必要です。
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